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ビオプラスの家

1自然に負荷をかける住まい

1 自然に負荷をかける住まい ̶̶循環型の自然素材へのシフト

 家づくりを考える時に、自然環境に対して悪影響がないか、注意しなければなりません。建築にかかわる環境汚染は、私たちが家を建てることによって、直接かかわってくるからです。地球規模での自然環境破壊や温室効果ガスによる温暖化対策は、21世紀最大のテーマですが、現実問題として、その危機感は直接伝わってきません。しかし、あまり難しく考える必要はありません。一人ひとりが、それぞれの身近な環境を守ることで、地球環境に負荷をかけないことにつながるのです。

 たとえば、建築廃材の最終処理で焼却されるゴミの中には、有害物質を発生させ、生物の生態系を狂わせる疑いのある塩化ビニール(PVC)が多く含まれます。PVCはビニールクロス、クッションフロアー、化粧板、ドアや家具、窓サッシ、外壁、電線被覆、上下水道配管など、いたるところに使われています。代替品の素材や、リサイクルシステムの開発などが進められていますが、まだまだ時間がかかりそうです。住宅エコポイント制度の導入などで、省エネ効果のある断熱ガラスと樹脂製窓が全国的に広がると、PVCの使用量が増える可能性があります。また、PVCに限らず、石油から作られた建材を、循環型の自然素材へシフトできないものか ?ということが、今、住み手にも作り手にも求められているのです。

 さらに、ポリウレタン系の断熱材やアルミニウム製品などは、優れた性能とは反して、枯渇資源や製造時のエネルギー消費など、環境に負荷をかける素材として、使用に注意が必要となっています。

 最も優れたエコロジカルな素材と言われている木材は、建材として生産から廃棄まで、環境負荷が少ない環境型循環資源です。しかし、地球上では熱帯雨林などの森林伐採や乱開発により、日本の面積の半分近くもの森林が毎年失われています。何でも木材を使えばよい、というものではありません。

 僕たちが住む日本は、世界で一番木材を輸入している国で、木材自給率はたった3割程度しかないのです。国土の7割が森林に囲まれている緑の島が、いつまでも輸入木材に頼ってはいられません。僕たちが住む地域の山の木を使って家を建てることは、森を守り、豊かな自然と緑を残すことにつながるのです。地域の資源を活かし、地域に根ざした住まいづくりが、なにより大切になってきました。