『農を楽しむ』西條さんの菜園便り⑳
北海道新聞 朝刊連載 平成23年2月10日掲載
『冬の畑・プランター栽培編』
今年のように、毎日の雪ハネ作業が続くと、ますます春が待ち遠しくなります。
僕は、昨年小さなプランターを買い込んで、初めて室内栽培に挑戦してみました。
我が家の、冬の室内の温度は、23度前後で安定していて、最低でも10度ほどです。
これはいけるのでは・・・とちょっと甘い考えで、早速用意を始めました。
角型プランター以外に、スチール製の網棚と、培養土、ゴロ土を買い、種は、昨年の
残りを使います。12月中旬、 サラダミックス・レタス・シュンギク・コマツナ・
ラディッシュなどを種まきしました。ちょうどスプラウト栽培を始めた頃だったので、
一緒にセッセと水やりをしました。ところが、思いとは裏腹に、プランターの野菜は
ヒョロヒョロと、スプラウトの様になってしまいました。どうやら水のやりすぎだっ
たようです。仕方なく、早々にあきらめて、スプラウトとして食べてしまいました。
そして、もう少し乾燥気味で育てなければと、再チャレンジしたのは、大掃除の役目
を終えた、大晦日の夕方です。まさか、大晦日に種まきをするとは、思ってもいませ
んでした。 菜園ノートで、月と種まきの関係を見てみると、まもなく新月が近づき、
種まきには不向きとのこと。思わず舌打ちをし、『人生上手くいかないなー』などと、
大げさなことを考えながらも、2010年最後の種まきをしました。
それから1か月以上が経過しています。実は2度目の種まきに備えて、植物栽培用の
蛍光灯を用意しました。「冬の野菜は石油で出来ている…」なんて、偉そうな事を言
っていたはずなのに…。 自称エコファーマー失格ですね。
どうやら、冬の室内栽培での大きな問題は、太陽光が足りないことのようなのです。
野菜を栽培するための日射時間は、最低6時間と聞いたことがあります。1月の札幌
の天気は、最悪でした。適当な室温が保たれていても、やはり雪の日が多いと、太陽
光が不足し、生育がうまくいかないようです。冬とはいえ、明るい窓辺で、お日様を
いっぱい浴びせられるよう、工夫が必要かもしれませんね。
僕は、コンセントタイプのタイマーをセットして、毎日10時間、蛍光灯の光を当て
ながら栽培していますが、それでもなかなか思うように成長していません。土寄せと
間引きをして、追肥をし、様子を見ることにしましょう。さて、無事に収穫できるま
で成長するのか。 冬の我が家の畑です。
窓際にキャスターをつけたスチール棚を組み立てて9種類の野菜を栽培中。種まきから40日経過。
右からミズナ・シュンギク・ラディッシュ それぞれの棚の下に植物栽培用の蛍光灯を設置。