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ビオプラスの家

1エコロジカルな建材を考える

人の健康と環境にやさしい建築素材や関連商品が次々生まれているけれど、本当に健康に良くて環境にも負荷をかけない、バランスのとれた材料とは何でしょう。

まず、原材料が豊富な天然資源か、再生が可能な資源であること。材料生産が周囲の環境に与える影響が極めて少ないこと。製造・運送・使用・加工・廃棄において、エネルギー消費が少ないこと。たとえば一次エネルギーの消費量は、フローリングのケースでは、無垢材=1に対し、複合材・エンジニアリング材=10になります。また、無駄が少なく耐久性があり長持ちするもので、再利用やリサイクルできること。有毒物質を含まず汚染物質を放出しないこと。そして、健康を脅かす、または恐れのある毒性物質を含んでいないことー。これらの条件を満たす、バランスのとれた材料を「エコロジー建材」と呼びたいと思います。

エコロジー建材は、僕らの五感と調和し、身体と精神の健康に大きく役立ってくれます。残念ながらエコロジー建材の使い手はまだそう多くはいません。それは素材を限定されることが一見、自由を奪われるような意識があるからかもしれません。「防腐剤、保護材、塗料、接着剤、断熱材など、すべての非エコ素材は、絶対、家づくりには使わないぞ」といったこだわりをユーザー自身が持つことが、エコ意識のある設計者や工務店を育てることにもなります。ちょっとした不自由が逆に楽しい、と思えるところから、僕の家づくりが始まった気がします。

エコロジカルな建材の考え方

1 持続可能な原料を使用していること
2 生産コストが低いこと
3 エネルギー消費が低いこと
4 再使用、再利用が可能なこと
5 有害化学物質を含まないこと
6 土に還る生分解性があること
7 廃棄時に、汚染物質を出さないこと
8 匂いや感触、見た目も心地よいこと
9 人の健康にとても優しいこと
10 地球にとても優しいこと

上:地域の材にこだわった道南スギの床と天井板の空間
下:懐かしさを感じる玄関から続く廊下