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ビオプラスの家

学校「シュタイナースクール」

学校「シュタイナースクール」
ドイツ・ミュンヘン2006年

ミュンヘンで、シュタイナー学校を訪ねる機会がありました。子供たちの個性を大切にした独自の教育プログラムと身体・心理・精神つのバランスを重視する教育理念に基づいて運営されています。オーガニックな自然の素材を大切にした建材を使って建てられている校舎も特徴です。

訪問した当時の建物は、資金不足のため、玄関ホールが未完成で、広い天井の下地がむき出しのままでしたが、天井が高いせいか、不思議と気になりませんでした。仕上げ作業は「父母たちが参加するセルフビルドで行われる」と言っていました。

シュタイナー独特の色彩模様は、建物の外観だけではなく、教室内部にも表れています。日本でいうと小学校から高校まで1〜12年生が通う教室は、子供たちの年齢に合わせて変えられており、パステル調のぼかし絵のような色使いのペイント壁が特徴的です。「子供たちを包み込むように守る」ようにつくられた建物は曲線で構成されており、その思想は、平面計画や屋根の形にも見ることができます。

低学年の教室ほど曲線が多く、天井にはカンナ掛けされていないラフ仕上げのままの無垢の板が使われていて、隙間をあけてスノコ状にし、斜めや曲線に張ることで集音と吸音効果が得られるように工夫されています。その場にいると、窓や天井から差し込む光が壁の柔らかな色彩模様を映し出し、心に呼びかけられているような感覚を、僕たち見学者も体験することになります。

子供たちがのびのびと個性を伸ばすことのできるすばらしい環境に出合うことができました。