4菜園生活をデザインする
都市菜園を組み合わせたエコライフスタイルの提案
家を建てるなら小さな土地でよいと思います。そこに、自然素材の小さなナチュラルハウスを建てる。そして小さな畑を作り、家とのつながりを考える。後はいろいろ楽しみながら、できることから始めてみましょう。
雨水は、タンクにためて畑で使う。非常時には、生活用水になるかもしれないし、トイレに使ってもいいでしょう。生活排水の熱を利用して、雪を解かすこともできます。生ゴミはコンポストで堆肥にして、畑へ還す。ペットのミミズが堆肥を作るミミズコンポストはどうでしょうか。予算に余裕ができたら、太陽熱を使った温水装置や太陽熱発電もいい。エネルギーの自給です。有機菜園のシンボルには、小型風力計を立てるとカッコイイと思います。
暖房は、循環型の木や穀物を燃料にしたストーブで、炎を楽しむ。肝心のナチュラルハウスですが、これは有機菜園でできる野菜と一緒。生産者の顔が見える近くの山の木、そして天然素材の断熱材と、木や土でできた建材を使います。選ぶ基準は簡単です。食べても安全なものとは言いませんが、ストーブで燃やしても害のないこと、裏の畑に埋めても生分解して土に還ること——この2つが基本です。
そして最後に、ご近所さんと畑つながりで仲良くなれること。こんなエコライフスタイルの提案。考えただけでも、ワクワク、楽しくなりませんか。
小さな都市菜園がつながりエコビレッジになる
都会でも、プチ菜園暮らしを楽しみながら、自分たちが食べる野菜はできるだけ自分で作ることができます。また、都会で菜園生活を始めることで、いろいろなことが見えてくるようになります。食品偽装問題や薬物混入問題など、僕たちの見えないところでは何が起こっているのか、信用できない時代になっています。でもこんな時だからこそ、効率至上主義の生活に疑問を抱き、もっとシンプルで自由に暮らせる自分のライフスタイルを見直すチャンスではないか、と思います。
最近は都会でも、休耕地や空き地が、いつの間にか市民農園に変わっていたりして、家庭菜園ブームが来たのを実感します。自給自足の暮らしは、ロマンですね。半自給生活を目指すのであれば、郊外に大きな畑を借りなければいけないでしょうが、葉物野菜やハーブ栽培であれば、自宅のちょっとした空きスペースでも十分できますし、その方が便利です。パーマカルチャーの手法を取り入れて、住まいを中心にした持続可能な暮らしのシステムをデザインします。小さくても経済的で使いやすく、環境にも優しいナチュラルハウスと有機栽培の野菜を手作りする小さな都市菜園を組み合わせたエコライフスタイルの提案です。
一つの家と菜園がつながって、町中がエコビレッジのようになってしまう。そんな自然発生的な町並みができるとしたら、なんてすばらしいことでしょう。