WORKS
事例集

木と漆喰と和紙のハーモニー 
薪ストーブが似合う自然派住宅

恵庭市 Hさん邸 / 夫婦、子ども2人
渋い紅色の越前和紙貼りの襖を開けると、和室ともつながる

住まい探しでは、子どもの通学圏内やご両親の住まいの近くで物件を希望するケースが多いが、新築用の空き地はそう都合よくは見つからないし、中古住宅も条件に合う物件にはなかなか巡り合えない。Hさんもそうだった。ご夫婦とお子さん2人の4人暮らし。選んだ中古物件の延床面積は52坪で、少々持て余す広さだった。当然、面積相応にコストもかかる。

そこで間取りは大きく変えずに、キッチンとユーティリティをゆったり広くした。縁側のある和室は建具を開放してオープンスペースに。しばらくは、ここが家族の寝室になるだろう。住まいの中心には薪ストーブを設置した。上部の天井を開口して吹き抜けにすることで、2階の小屋裏フリースペースとつながるようにした。そこには壁一面の本棚がある。この家の図書室であり、子どもたちの遊び場にもなる。使い勝手と家族の団らん、子どもたちの集う居場所づくりを心がけてデザインした。

自然素材は、いつもの定番。北海道産ミズナラ材のフローリングは丈夫で長持ちで、一押しの床材だ。壁の仕上げは、噴火湾産のホタテ貝殻粉末をブレンドした化学成分無添加のオリジナル漆喰。天井のトドマツ羽目板、土佐和紙と麻織物のクロス仕上げなど、すべてが天然由来で、ビニール建材は一切使用しない。当社らしいこだわりの自然派住宅が完成した。

Before
外壁は既存サイディングを残しながら玄関まわりを木板張りに改修
玄関土間はテラコッタ風江別レンガで仕上げた
木の香りあふれるLDKはホタテ貝殻の漆喰塗り仕上げの広々空間
ゆとりのある対面式キッチンにはカウンターを設置
キッチンのサイドスペースには奥様の家事コーナーを造作した
和室の建具類はできるだけリメイクして使用。塗装をし直して越前和紙に貼り替え、懐かしい雪見障子も残して生かした。日の当たる縁側は猫の部屋になっている
ユーティリティはスペースを広げて、木質感たっぷりの使いやすくリラックスできる空間に
屋根裏部屋をきっちり断熱し直して家族のフリースペースに改造。1階のキッチンと吹き抜けでつなげた
壁一面には書棚を造りつけ、フリースペースの一角が家族の図書室に大変身
1階の書斎は、ナチュラルフローリングに漆喰、自然素材クロスと当社の定番素材でシンプルにまとめた。クローゼット建具はミルクペイントでリメイク塗装を施した
2階の子ども室の壁一面は、色漆喰のボカシ模様でやわらかな雰囲気に仕上げた
既存の建具類は、ミルクペイントのアンティーク仕上げで装い新たに