築年数が経過した木造住宅を解体すると、貧弱な構造体や腐れ、カビなど、なにかしら問題があるものですが、実際のところは壊してみなければわかりません。ですが「直すのも面倒で古い家は使い物にならないからとすぐには解体せず、耐震補強や断熱、気密をしっかりケアしたリノベーション工事の依頼が増えています」と、BIOプラス西條デザイン代表の西條正幸さんはいいます。
Tさんご夫婦は、札幌市の手稲山の麓に建つ中古住宅を購入してしばらくの間住まわれていましたが、今回、北海道産木材と無添加・無垢の天然素材を厳選し、築42年経過した木造住宅をフルリノベ-ションしました。室内は落ち着いた古色カラーで塗装された無垢の道産木材、帆立貝漆喰の壁、和紙、布織壁紙といった、 自然由来の素材だけで仕上げられています。
構造材の一部には古材の梁も利用。格子建具を採用して古民家風なインテリアになりました。対面キッチンとつながる小上がりの和室には、掘り炬燵のバタフライカウンターがあり、お家カフェを楽しめます。住み慣れた家を再生して新たな気持ちで暮らすのもまた楽しいもの。憧れの古民家風に生まれ変わったわが家で、日々の暮らしを楽しんでいます。