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ビオプラスの家

3化学物質の話

3 化学物質の話 安全な食品を探し求めることと同じ

住まいに潜む化学物質。その数は数千種類とも言われています。都会に住んでいると、身の回りのあらゆる所、あらゆる物に含まれているので、化学物質のまったくない世界を探すことは不可能だし、逆にあったら怖い気もします。なぜなら、自然界にも化学物質は存在しているからで、天然木や草にも、それぞれ違った化学成分が含まれています。微妙なバランスや量の問題なのでしょうが、人によって許容量が違うので、少なくするに越したことはないのです。「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」。これらの言葉も、最近の報道などではあまり聞かれなくなってきた気がします。しかし、過敏体質やアレルギー体質の人たちにとっては、決して安心できません。長い時間、大量の化学物質をあび続けていると、ある日突然、ごく微量の化学物質によって化学物質過敏症を発症してしまうことがあります。一度発症すると、最初は特定の化学物質だけが原因であっても、その後は、他の多くの化学物質が原因となることもあるため、対処法を見つけるのがむずかしいのです。

人には、化学物質に対する許容量があるといわれています。その量は人それぞれで、大人と子供では当然違うでしょうし、体質によってもずいぶん違います。人によって個人差があるのは、アルコールとの相性でも、分かると思います。また、「男性に比べて女性の方が、化学物質を体外に排出する免疫システムが劣っていて、特に、妊娠している女性では、胎児に影響が出る場合もある」ということを、ドイツの環境医学のパイオニアであるフォルカー・ツアーン博士から聞きました。家にいる時間が、男性よりも長いということも影響しているのかも知れませんが、僕が今まで会ってきた人たちの中で、化学物質過敏症にかかってしまった人たちは、圧倒的に女性、そして子供たちが多いというのも事実です。

住まいの建材もさることながら、家具、カーテン、カーペット、ふとん、そして衣類にしみこんだ化学物質も厄介です。たとえば、部屋を安全な自然素材で完全にリフォームしても、これらが残っていると、意味を成さないこともあります。いったん汚染されると、人の体も室内の空気も、きれいにするのが難しくなります。

健康な家づくりを考えることは、今や安全な食品を探し求めることと同じように、直接、僕たちの暮らしにかかわる大切なことなのです。