5森林浴でリラックス―木の浴室をつくる
心地よい木のぬくもりと香り
すばらしいロケーションやゆったり広くてリッチなお風呂空間は、誰もが手にできるわけではないでしょう。とはいえ、プラスチックで囲まれたユニットバスのお風呂では、自然派住宅として、いまひとつ説得力に欠けるのも事実です。エコな要素を随所にちりばめて家づくりをしてこそエコスタイル。お風呂とつながるユーティリティーにも、暖かな木のぬくもりと良い香りがあることで、リラクゼーション効果満点です。ちょっぴり気張って自然素材の良さをフルに生かした風呂を手に入れたいと思います。
最もリーズナブルな方法は、既製のハーフユニットバスを利用した木のお風呂を作ってみることです。これなら新築ばかりではなく、リフォームでも1週間程度で、簡単に木のお風呂ができ上がります。
僕たち日本人にとって、木のお風呂は誰もがあこがれるものです。でも、木を使うとメンテナンスが大変だからダメ、と思っていませんか?ところが、使い方やメンテナンスの仕方によっては、まんざらそうとも限りません。たとえば、お風呂での無塗装の木のメンテナンスは、換気をまめにすること、いつも濡れた状態にしないこと、などがあげられます。
(1)まずは木を運ぶーこだわりの「ヒバ」
あこがれの木の浴室を実現するためには、まず、適した木を選ぶことから始めます。北海道の地産地消にこだわるなら、道南地方が北限とされる道南ヒバです。ヒノキチオールを豊富に含むため、腐りにくく、耐水性があり、虫やカビにも強い性質は、木の風呂づくりに最適の木材です。
ヒバから取れるヒノキチオールの精油は、化学物質を使わないシロアリ駆除・防止剤としても有名です。節のない柾目はキレイですが高価。割安な節付きの板ならば、天井や壁に思いっきり使えます。
材質が決まったら、木の呼吸を妨げないように施工し、使用することが何より大切です。接着剤を使って下地に張りつけたり、呼吸を妨げる塗料で膜を施したりすると、どちらも木を傷めてカビを繁殖させることになります。
(2)機能性が高い建材ー「珪藻土タイル」
七輪の原料で知られる珪藻土は、呼吸する壁として塗り壁材やボード建材に加工され、ちょっとしたブームになっています。道北産の珪藻土で作ったセラミックタイルは、とても優れた機能性建材だと思います。木と同じように、お風呂の壁に使うと高い調湿機能を発揮します。カビの発生が心配な洗濯機の裏壁などに使うとよいと思います。自然素材の呼吸する調湿機能を、どこよりも実感できる空間がお風呂かも知れません。
(3)床暖いらずのスグレモノー浴室用「コルクタイル」
風呂の床といえばタイルがお決まりですが、とってもホットな浴室用タイルがあるのをご存知ですか?
自然素材の断熱材として開発された炭化コルクを、さらに加圧して作られた水回り専用のコルクタイルは、防水性と耐腐食性に優れ、防虫・防かび効果があります。柔らかな感触の仕上がりで水に濡れても滑りにくく断熱性があり、熱伝導の低い表面は、磁器タイルのようなひんやり感がありません。冬場、床暖なしでも冷たさを感じない北海道向きの床タイルだと思います。