ドリームエコハウス
Wörth湖の近くに建つドリームエコハウス
ドイツ・Wörth湖2006年
湖を見下ろす絶景のロケーションの傾斜地に建つこの住宅は、住まい手の夢と希望をかなえたドリームハウスでした。バウビオロギーの精神に基づいて建てられ、すべての素材が自然素材で構成されています。
1階を貸し室とし、2階と3階にオーナー家族が暮らしています。それぞれの階が独立した造りの木造3階建て住宅。木フレーム内に麻断熱材を充塡し外側にウール断熱材を180㎜付加した、ドイツではおなじみの高断熱仕様です。室内壁仕上げの粘土パネル、外壁のカラマツの板壁と合わせて、呼吸する第三の皮膚を形成していました。壁には、銀加工のメッシュにアースをつけたものを張り込み、電気配線もメタルシールドで覆うことにより、健康を脅かすおそれのある電磁波を遮断していました。
屋根に取り付けられた12㎡の太陽熱温水パネルと、自動ペレットボイラーで作り出される温水が、粘土パネルの蓄熱壁に蓄えられる仕組みになっています。南側の大きなガラス面から差し込む太陽熱も室内に蓄熱され、熱交換の空調システムにより、90%以上の熱を回収します。室内の暖炉は、どちらかといえばリラックスするためのもので、木質ペレットを大量に蓄える貯蔵庫が建物内にあり、ボイラーに自動供給できるようになっています。
この建物の建設コストは、1㎡当たり1500ユーロ(日本円で坪当たり約70万円)だそうで、以外に安くまとまっている印象を受けました。裏に立つ大きな木を残すために、木の根を避けて建物を建てたり、車庫の屋根をしっかり緑化するなど、環境への配慮も手抜きがありませんでした。