移動可能なエコオフィス
移動可能なエコオフィス
オーストリア2006年
オーストリアで開発された、再生可能な自然素材でつくるオフィス建築の実験棟は、従来の建築と比べて環境負荷を10分の1に抑えた「ファクター10」プロジェクトです。
大量生産のためのパネルユニット方式と地域の材料を使った100%持続可能性を追求した建築を目指しています。南面の大きなガラス窓から太陽熱を直接取り入れて床の蓄熱層に貯えるパッシブソーラーハウスで、バイオマスストーブの放射熱と温水床暖房装置も備えています。
もう一つの特徴は、ワラを断熱材に使ったストローベイルハウスでもあることです。ベイラーと呼ばれる機械で固められた大きなブロックを積み上げていきます。この断熱ブロックを止めるための大きなビスがブナのおがくずを固めた木製なのには驚きです。ワラ断熱を積み上げた後は泥を塗って暴風シートの代わりとし、赤い顔料の入った自然塗料を塗った木板で仕上げられています。
建物は移動することを考慮してつくられており、完全にリサイクル可能な建築を目指しています。