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ビオプラスの家

パッシブソーラー集合住宅

Riemのパッシブソーラー集合住宅
ドイツ・ミュンヘン2006年

ここは空港跡地に建てられている住宅団地群の中で、唯一、エコロジカルな建物でした。9世帯が住む低所得者のためのエコ集合住宅です。収入に応じた助成制度を利用したミュンヘンモデルの分譲住宅で、室内は住居の中央に柱を1本残すだけで、あとは自由にデザインできるようになっています。

木造3階建て、総住居空間は940㎡で、総建築費は130万ユーロ。2002年に竣工しましたが、評判が良く、募集から2カ月半で完売しました。1階部分には細分可能な間取りのバリアフリー住宅が3戸、2、3階はメゾネットタイプの住居6戸によって構成され、カラマツ、ドイツトウヒなどの地元の木材を、総体で265㎥使用していました。

木造フレームとモジュールパネルを組み上げるシステムで工期を短縮し、コストを削減しています。セルロース断熱材を使い、壁に300㎜、天井に350㎜の厚みに充塡した高断熱・蓄熱構造。南壁面に太陽熱を蓄熱するガラス(ソーラーウオール)を組み込み、60%のガラス面を確保しています。

ドイツでは、この団地同様、多くのエコハウスが、外壁にカラマツの板を無塗装のまま張り、メンテナンスの負担を軽減する(自然風化のままにまかせる)手法を取り入れていました。メンテナンスフリーというならば、これが最も経済的で機能的な究極のエコウォールなのかも知れません。