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ビオプラスの家

屋久島環境共生住宅

屋久島環境共生住宅
鹿児島県屋久島2006年

世界遺産に登録され、屋久杉で有名な屋久島に建ち並ぶ50世帯の平屋住宅。ここは自動車教習所の跡地約2haを利用し、県と屋久島町が共同で建設した環境共生型の公営住宅です。

住宅も島の杉を使いたいところですが、必要な材料の確保、流通、価格、時間など現実的な問題で、あきらめなければならなかったようです。この点は、僕が北海道産の木材だけで家をつくろうと思った時に感じるジレンマであり、切実な課題でもあります。

それはさておき、屋久島の西側・永田地区に残る伝統集落の家並みや、石垣、生垣、家のつくりを継承した切妻屋根の木造平屋住宅で、海岸と前岳に挟まれた風の流れを取り込む構造と、風楼の換気で、クーラーを使わずに夏をすごせるつくりになっています。屋敷林と平屋の家は、台風や強風をしのぐ伝統的デザインでもあります。集落をつなぐ通路や広場は、住人、子供たちの憩いの場として、素敵なコモン空間となっています。ほのぼのしていてどこか懐かしい風景です。