2010年12月14日 追加記事

北海道新聞連載⑯

北海道新聞連載記事です。
北海道新聞 平成22年12月9日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ⑯「トマトの保存」
畑はすっかり雪化粧、楽しかった菜園生活もしばらくお休みです。
我が家の冬の食卓では、あまりお目にかからなくなる野菜があります。夏から秋にかけて、食卓のテーブルの常連だったトマトです。
スーパーへ行くと、いつでも並んでいるにもかかわらず、冬の間はめったに買って食べることがありません。夏の日差しをあびて育った、まるで太陽のような野菜だからでしょうか。
季節に関係なく、いつでも、どこのものでも手に入る時代ですが、それはそれで、うれしいような寂しいような複雑な気分になります。
そんな我が家の冬の楽しみは、たくさん収穫したトマトを保存して、少しずついただくことです。
野菜作りを始めるまでは、たくさん買い込んでいたホールトマトの缶詰が、すっかり姿を消しました。 昨年までは調理用のイタリアントマトでトマトソースを作り、小分けにして冷凍保存していましたが、今年は初めて、トマトソースの瓶詰めに挑戦しました。
まず、大きめのずんどう鍋にお湯を沸かし、瓶とふたを沈め煮沸消毒します。同時に隣の鍋で、ざく切りにしたサンマルツアーノ(自家製の有機トマト)に、少量の塩を加えてオリーブオイルと一緒に煮込みます。以前は、ニンニクやハーブなどを加えていましたが、結局調理のときに味付けするので、今年は余計なものを入れずにシンプルにしました。
トマトを煮込み終えたら、煮沸し終えた瓶に詰め、すぐに蓋をしてずんどう鍋に戻します。このとき、ふたは一旦きっちり閉めた後、少し緩めます。こうすることで、瓶の中の空気が抜けて密閉状態になります。約20分間、煮沸した後、取り出した瓶のふたをきっちり閉めなおし、瓶を逆さまにして置き冷まします。すっかり熱が冷めたら、日付のラベルを貼って完成です。
今年は400mℓの瓶を12本作りました。冬の間、パスタソースやミネストローネなどにしていただくことになります。
一方、ミニトマトは、ドライトマトにして保存します。半分に切って種を取り、オーブンで乾燥させます。小まめに水気を取りながらゆっくり乾燥させるので、ちょっと面倒でしたが、ドライトマトは、凝縮された味が格別です。正確には半なまドライトマトですが、半分は密閉袋に入れ冷凍保存、残りはオリーブオイル漬けにしました。
ドライトマトの乾燥は、本州では天日干しができるのでしょうが、北海道の路地栽培では、完熟する時期が合わず、少し難しいと思います。種から有機栽培、無化学肥料で育てた我が家の冬のトマトです。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
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丸い形のベルナーロゼ(左)やチェリートマト(右上)、イエローアイコ(その下)など9月に収穫したトマトたち
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瓶詰めしたサンマルツアーノのトマトソースと、ブラジルミニをオープン乾燥させたドライトマト