ブログ|札幌市の注文住宅や新築一戸建住宅の見学会やエコなイベント情報

2012年12月10日

拓北の家 その9

だいぶ間が開きましたが、拓北の家の完成編をお伝えします。
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札幌は12月10日現在、すっかり外は雪景色ですが、
これら写真は一月半ほど前なのでまだ雪が降っていません。
外物置の設置の様子です。土台は道産カラ松で天然塗料系の耐候性塗料
を塗っています。板張りの外装なので防火性と防水性を考えると
躯体の造作は母屋とほぼ同じです。
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上の写真はデッキテラスの上にポリカーボネードの屋根を掛けているところです。
下の写真は外構の犬走りの施工の様子です。砂利の下に防草シートを敷いています。
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ここからは完成写真になります。まずは外観ですが、基礎巾木はFP板の上にモルタル掃き付け
外壁は道産カラ松の木酢浸けの板張りで、玄関廻りを道産杉に変えて柔らかいアクセント
を付けています。手前に畑と駐車エリア、右側に完成した物置が見えます。
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玄関土間の中です。左の壁に気密仕様の郵便受け、奥にストーブが見えます。
床のタイルは特注色の江別レンガタイルです。
この右手にUT・浴室につながる扉があり、外の畑から水場へ直行できます。
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リビング・ダインニングの様子です。
主暖房が薪ストーブということで玄関土間からリビングまで繋がる土間が特徴的です。
壁の仕上げは噴火湾産のホタテを使った漆喰塗り、床は道産カラ松の一寸厚のフローリング、
天井は和紙貼りです。
一番下の写真は、土間の上がり框に仕込んだ下足入れの引き出しです。
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< 上の写真はキッチンカウンターからリビングを見ています。 オイルガードに珪藻土タイルを張っています。 下の写真は2階から見下げた階段の様子です。 段板は床材と同じくカラ松です。 1.jpg
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2階のホールと吹抜けの写真です。
太陽光と熱を多く取り入れるために2階の窓も大きくして、
吹抜けを介して一階に届くようにしています。
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2階の一番高い部分の暖かい空気をコントロールする換気装置です。
3路シャッターを付けていて、夏期はそのまま外部に排出し、
冬期は一階の床下に送り込み土間コンに蓄熱させます。
スイッチひとつで切り替え可能ですが、暖かい空気は湿度を多く含み易いので、
冬期は床下の結露に注意が必要です。
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最後は2階の各個室です。
窓下に補助暖房のパネルが見えます。もうオーナーは引越しをされていて生活を始めていますが、
ほとんど1階の薪ストーブのみで過ごされているようです。
これで拓北の家の連載は終了です。
またメンテナンス等でブログに登場するかも。
オーナーをはじめ、建設関係者の皆様、ご苦労さまでした。   (田)

2012年10月13日

拓北の家 その8

完成見学会の案内告知が先になってしまいましたが、
今回は仕上げ工事の様子をお伝えします。
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内部の塗装に使う塗料は、リボス社の自然塗料が多いのですが、
今回はアトリエベルの古色仕上げオイルフィニッシュを使いました。
国産で亜麻仁油ベースの木目が美しく出るオイルです。
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内部塗装が終わったら、天井の和紙クロス貼りです。ビニールクロスなど
ではもちろん無く、藁を漉き込んだ土佐和紙を、無添加の澱粉糊で貼っていきます。
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いよいよ塗り壁工事になります。コストダウンと、セルフビルドの
楽しみを味わうのとで、塗り壁の施主施工はけっこうお勧めです。
今回は珪藻土ではなく、ほたてシックイを選択しました。
お父さんがほたてシックイをミキサーで混ぜている様子です。
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週末を3回使って塗り壁工事を行いましたが、施主の友人家族も多数訪れて
いただき、大変賑やかで、楽しみながらのセルフビルドでした。
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塗り壁工事の合間に造作家具の取付を行いました。その後にまた、
家具との取り合い部分にほたてシックイを塗っていきます。
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家具工事と同時期でしたが気密試験を行いました。
札幌版次世代住宅の認定に義務付けられているもので、
この建物の目標値の相当隙間面積は1.0以下です。試験を行った
結果としては0.2という大変優秀な数値でした。
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塗り壁工事が終了した後、設備機器や建具等の取付です。
最後に薪ストーブを設置して、内部の工事はほぼ完了です。
次回は外構工事と完成した建物の様子をお伝えします。   (田)

2012年10月11日

札幌版次世代住宅を自然素材でつくる

札幌版次世代住宅の完成見学会 を開催します。
    10月13(土)14(日)の2日間
    札幌市北区拓北7条2丁目13

 平成24年度 sapporo ECO-E HOUSE
北海道産の循環型資源を活用した高断熱自然派住宅
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札幌市が募集した札幌版次世代住宅の補助金(50万円)をうけた
省エネ住宅の完成見学会を開催いたします。
評価等級「ベーシックレベル」で既存住宅の1/2程度のCO2排出量
の削減とエネルギー消費を抑え、省エネにつながる今後目標とされる
断熱レベルの住宅です。
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断熱性能を高めることによって可能になる省エネ住宅ですが、
建築資材の製造時から最終処分時までの過程における省エネ性や
環境負荷の問題や化石資源の消費などは棚上げになっているのが
現状です。 僕たちが提供する住宅の最大の特徴は、地域の資源を
最大限に活用して環境と住む人の健康に負荷をかけない持続可能な
循環型の住まいを提供すること目指しています。
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北海道産の無垢の木材を100%使用し、内装仕上げや家具・建具
にも道産木材を利用しています。 化学薬剤と合板類を使用しない
で家を建てる無合板住宅は、住む人の健康に負荷をかけない安全性と、
接着剤を使わずに50年以上の長期間使用でも劣化しない耐久性、
そして再生利用や処分時の環境への負荷の軽減につながります。
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壁と天井に充填されている古紙の断熱材は、木材利用の50%
以上を占める紙製造のリサイクル素材で、製造時での低いエネルギー
消費は、持続可能で快適な真の省エネルギー住宅を考える上で大切な
ことだと思います。北海道の循環型資源を活かした住まいづくりを
知っていただきたいです。
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2012年10月01日

拓北の家 その7

またまた間が開いてしまい、一部から柔らかなお叱りを受けて
しまいましたが、第7回目では内部造作などの様子をお伝えします。
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内部造作材の加工を行う前に、詳細図で大工さんと打合せ
をします。だいたい5分の1スケールで全ての木枠などの
造作材の図面を書きます。昔ながらに無垢の板材から加工
するために、詳しい寸法の書いた図面が必要です。
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今回は造作材として主にとど松、それとタモ材を使います。
タモ材は窓台などの水平面の耐久性が求められる部位に使い
ます。上の写真は旭川のA木材から直接取り寄せたとど松の
板材で、下の写真が厚沢部町のS木材のタモ材です。ともに
含水率を12%程度に指定して乾燥してもらいます。S木材は
木製乾燥釜の低温乾燥機を持っています(ブログの道南研修
編を参照)。 一応検品して受け取りますが、耳付きのまま
板材を貰うことも多く、デザインに利用したりします。
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大工さんが玄関収納の扉の鴨居を取付ています。
ピンク色の壁材は、収納等に使う化学物質を吸着してくれる
石膏ボードの一種です。廃棄処理の点から石膏ボード下地
から脱却したいのですが、予算の点からなかなか・・・・。
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<吹抜けのスノコ床とワークテーブルを組んでいる様子です。 家具的な物も今回大工さんに作ってもらいました。 DSCN0417.JPG
外ではストーブ屋さんが煙突を施工しています。
やはり、煤が付きにくい断熱2重煙突を取付ています。
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家具屋さんの作業場では、キッチンなどの家具の製作が進んでいます。
キッチンはもちろん、食器棚や洗面台もフルオーダーで北海道の木で
作ります。やはり家具の詳細図を書いて職人さんと打合せします。
次回は仕上げ工事編です。内部塗装や和紙クロス貼り、塗り壁の
施主施工の様子などをお伝えします。          (田)

2012年09月13日

拓北の家 その6

前回より2週間以上経ってしまいましたが
気密・断熱の様子をお伝えします。
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断熱工事屋さんのトラックです。断熱方法としては、いつもの
セルローズファイバーを天井、壁ともに吹き込む方法です。
今回は、特に壁を200mmの厚みで一度に吹き込みます。
天井は札幌圏では今や標準的な300mmで吹き込みます。
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ネット張りの様子です。セルローズを吹き込む時に
こぼれない様にする為のネットです。タッカーと呼ばれる
ホチキスの大きめの針で留めていきます。
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一般的には断熱材を充填した後に気密と防湿を兼ねたシートを
張りますが、そのときの施工性を考えてシートを一部先張りし
ておきます。そのシートですが、我が社では普通のポリシート
ではなく湿気を吸放出できる特殊なシートを張ります。上の写真は
外壁と間仕切り壁の取り合い部分での先張りの様子です。下の写真
はスイッチ・コンセント様の気密ボックスと郵便受けです。
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セルローズを吹き込んでいる様子です。
よく言われている事ですが、セルローズファイバーは新古紙のリサイクル品なので
元は木から出来ています。しかも湿気が入っても断熱性能が落ちないので、
先に書いたシートとともに『呼吸する外壁』を作る上で欠かせない材料です。
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セルローズの充填が終わり、大工さんがその吸放出性のあるシートを
張っています。下の写真は梁部分等のテーピングの様子です。
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外のほうでは、外壁工事がいよいよ終盤です。
大工さんが面戸を付けています。
次回は建具枠などの内部造作の様子をお伝えします。 (田)

2012年08月24日

拓北の家 その5

今回は外壁の板張りと内部造作の模様をお伝えします。
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外壁はカラ松材の18ミリの板を木酢液に浸け込んだ材料を張ります。
1~2ミリほど内部に木酢液が浸透していて、一応メンテナンスフリーを
うたっている材料です。これから梱包を解いて張っていきます。
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外壁の出隅部分とサッシ廻りの様子です。板の張り方は縦羽目の
目板張りにします。カラ松は耐久がある割りにネジレなど材の狂
いが大きいので、目板張りか大和張りにするケースが多いです。
縦のジョイントは小口を斜にカットして水が逃げるようにしてい
ます。止めつけるステンレス釘で、防風シートを破かないように
下地の胴縁は24ミリ厚でタテヨコに2重しています。
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撮影時期はちょうどお盆休みの前でしたが、
札幌はその頃、比較的天気に恵まれていました。
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わが社の若手のY端君が、カラ松のフローリングを塗装しています。140ミリ
巾で12尺で30ミリの厚みがあります。1、2階あわせて150枚程使います。
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フローリング張りと階段加工の様子です。構造見学会を催すという
理由で階段をいち早く設置する事になりました。見学会は8月18日に
おこない、盛況?(来場者はお施主様を含め6名)のうちに終了しました。
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天井下地を組んでいる様子と内部下地がほぼ終了した
2階の様子です。背割りした大黒柱が見えます。
今回はセルローズファイバー充填の屋根断熱方式
なので、天井下地を先行して組んでいきました。
次回は断熱・気密工事の模様をお伝えします。

2012年08月07日

拓北の家 その4

今回は屋根の造作と外壁下地の造作です。
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屋根に突き出る煙突の骨組みが見えています。
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軒天は薄いスレート系の板ではなく、表しの野地板として椴松の
無垢板を使用します。外壁の内側は12mmの野地板で、上部に防露材
として断熱材を貼ります。ちょうどその張り分けが見えています。
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破風板を取り付けた様子です。板金でカバーをしないので、耐久性を
考慮して唐松の無垢材にしています。あとで自然塗料で塗装します。
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玄関ポーチの下屋を組んでいるところです。外部の梁はやはり
耐久性を考え唐松にしています。柱も唐松にしたいところですが、
ねじれるケースが多いので今回は椴松です。
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防水紙を貼ったあとに、屋根の板金を貼っていきます。
今回は煙突の立上り部の下方に水みちをわざと作り、
漏水時の対策にしています。
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こうして屋根が張りあがりました。
上の写真は下屋の板金加工の様子です。
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付加断熱分の外壁の下地を組んでいるところです。105mmの
軸間に100mmの付加断熱を施すので、トータル205mmの
セルローズファイバーを充填します。
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木下地のあとは面材として三菱マテリアルのモイスを張ります。
防火性能がよく、廃棄時は土に返るという優れものです。
北海道で使用しているのはウチを含めて2件のみとか。
モイスの上に防水紙としてタイベックシートのハードタイプを
張っています。梁の廻りを気密テープでテーピングしています。
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その後はサッシの取付となります。木製サッシとしたいところ
ですが、今回は費用対効果を考えて樹脂サッシです。しかも
トリプルLOW-Eガラス入りのサッシです。北海道では樹脂サッシ
は一般的です。ちなみに樹脂はアルミの1/1000の熱伝導率です。
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基礎の水切りと胴縁下地の間に防虫網を取り付けています。
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換気設備用のスリーブに、気密と防水のためのゴム製のカバーを
つけています。やはりテーピングが大事になります。
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というわけで、ここまでに約20日程かかりました。
次回は外壁の板張りと内部造作です。   (田)

2012年07月31日

拓北の家 その3

今回は建て方の様子をお伝えします。 
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土台がほぼ組みあがり、大引きを掛けようとしています。
それから内部足場用の仮床を組み、1階の柱を立てていきます。
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カラ松の大梁と大黒柱の上に2階の床梁を掛けているところです。
構造体の樹種としては、柱はエゾ・トド松で、梁はカラ松・トド松です。
もちろん全て無垢材なので集成材は使っていません。
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梁の上に3.5寸角のマグサを乗せるところで、接合用のダボが見えます。
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見えがかりの良さと構造的な理由で、梁上部にボックス彫りを
施してそのなかに座金とナットを仕込みます。
こうすると、梁と梁を軸芯で引っ張ることができます。
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2階の床梁をほぼ組んだところです。
梁を渡りで組んでいるのが見えます。
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2階用の柱を仮置きしています。
背割りを入れたトド松の大黒柱(管柱ですが)が見えます。
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例のカラ松の太鼓落しの梁を掛けているところです。
梱包材やチップしか利用できなかったカラ松ですが、ここ数年の
乾燥技術の向上で、無垢材の構造材として使えるようになっています。
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防風シートを先貼りしてから、垂木を掛けて
バラ板といわれる松材の野地板を張っています。
野地板の替わりに構造用合板を張るケースがほとんどですが
やはりこの部位に合板を使うのは耐久性に疑問があります。
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だいたい組みあがった様子です。土台敷きからここまで4日程
かかりましたが、幸いにも雨に降られずにすみました。
次回は屋根造作と外装下地の模様を。 (田)

2012年07月23日

拓北の家 その2

前回は木架構の手刻みの様子と基礎工事の途中まででしたが
今回は基礎の完成までをお伝えします。
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基礎内部の埋め戻しの前に、室内の給気用の
アースチューブを設置しているところです。本州では
クールチューブと呼ばれることが多いと思います。
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左官屋さんが基礎の断熱材の表面にモルタルを塗っています。
基礎内の蟻の侵入を防ぐためです。
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基礎の断熱補強のために内スカート断熱を施しています。
通常、基礎断熱に使う断熱材は環境負荷の少ないビーズ法
ポリスチレンフォームを使っているのですが、今回は断熱
性能重視で押出し法のポリスチレンフォームを使っています。
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基礎のベースの外周に暗渠管を回しているのが見えます。
泥炭地や粘度地層の水はけを良くするのが主目的ですが
基礎内の地熱が水分で不安定になるのを防いでくれます。
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いよいよ土間コンと防湿コンの打説です。念のために
防湿コンの下に防湿フィルムを敷きこんでいます。
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コンクリートのひび割れ防止のために、
最低2回は鏝で押さえるようにしています。
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土間、防湿コンが打ちあがり、基礎工事も完成です。
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日もあらたまり、建て方の前に足場を掛けています。
コントロール良く、部材を投げ渡している瞬間です。
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例の栗土台をまわす前に、気密部材を設置しています。
次回は建て方の様子からお伝えします。 (田)