2011年08月30日 追加記事

本当にあった、こわーい話

サブタイトル「カラスの呪い」
すっかり秋めいてきた頃に、背筋も凍る話は時期はずれと知りつつも、本当にあった怖い話。
わたしの住むアパートは街の中心部にあるものの、緑に恵まれた良い環境にある。しかも、リビングの窓の前には大きな木が数本あり、目に心地よい景色がありがたい。その小さな緑のなかには3,4羽のカラスが住んでいる。このカラスたちの一羽がお喋りという表現を通りこし、大きな叫び声でひっきりなしにお喋りをするという性格の持ち主だ。休日の早朝に窓を開けていると、その叫び声に耐えられなくなるときがあり、ミラーで光をあてるという攻撃をしたことがる。カラスは光が嫌いだ。
先週末の午後、札幌は豪雨にみまわれた。会社で仕事をしていると、アパートの大家さんから携帯電話に連絡が入った。
「実は、今の豪雨で、屋根から水があふれたようなんです。Iさんの部屋の下の人が知らせにきたんだけど、Iさんの部屋がすごいことになっているかも。帰ってこれないよね?どうしよう」と。と聞いてもピンとこなかった。
「大家さん、わたしの部屋に入って見てもらえますか?」
「そう?じゃ、入らせてもらいますね」
という会話の後、2時間ほど経過してから再び大家さんより連絡があった。
「・・・Iさん、ちょっと大変なことになっちゃった。帰ってきたらまた連絡ください。詳しいことお話するから。そう、絨毯が濡れたから、クリーニングに出そうと思うけど良いですかね」
「え?そのまま置いておいたら乾くと思うので、クリーニングださなくて良いです」
「いや、そういうレベルじゃないんだ」
「・・・っていうか。あれクリーニングだすとえらい高いものになりますよ?」
ということで、帰宅すると、大家さんの格闘の後と残骸が部屋にあり、あるはずの絨毯はやはりなくなっていた。
このアパートは雪を隣地に落とさずに乗せておく、北国仕様の屋根形状になっている。建物のほぼ中心に位置する「スノーダクト」という呼ばれ方をする部分に水はたまり、縦樋に流れる形式だ。
大家さん登場。
「樋のところにちょうど良い大きさのボールが挟まってね。水が流れなくってオーバーフローしたみたいなんですよ。カラスがのせたんだと思うんだ・・カラスが」
普通はオーバーフローしたからといって天井裏まで水はあふれないはずである。防水層が切れているところから、水が入ってきたはずだ。しかし、そんな話をできるような雰囲気でもない。大家さんの顔には明らかに疲労と困惑と申し訳なさがいっぱいだった。
「そうですか。これはきっとカラスの呪いですね。実はわたしが・・・カラスに嫌がらせをしました。でも、まあしかたがないです。絨毯は心配だけど・・・呪いをとるためにお払いに行ってきますよ」
大家さん「・・・あ、は、はは」
カラスの呪いは本当にこわーいのである。
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しかし、この仕事をしている人間としては笑い事では済まない。ぜーったい嫌な案件である。現場では、このようなことの起きないように職人は当たり前に念入り仕事をし、監督も目をひからせているのである!
今日の夕方は工務店さんと大家さんとが再び登場する予定だ。はあ。
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