北海道新聞 平成22年5月13日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ②「植え床づくり」
菜園作業の第一歩は土づくりからです。
僕たちの有機農園がある札幌・丘珠の土地は粘土質で水はけが悪く、雨が長く降ると水がたまり、なかなか抜けません。逆に、天気の良い日が続けば、ガチガチに固まって、コンクリートのようになってしまいます。本来、しっかりと耕さなければ、畑にならないような土地なのです。
このため僕は、地面の上を木板で囲って土を盛った「植え床」を作っています。「レイズベッド」と呼ばれる高い植え床です。植える植物や、ベースとなる地面の状況によって高さを変える必要があるのでしょうが、ありあわせの板を使用したので、高さ10センチほどの低いウネです。
この中に、堆肥、有機肥料、有機石灰などと一緒に、細かく砕いた使用済みの調湿炭を土壌改良剤として土に入れています。1平方メートルに1袋(5キロ)ほどの量です。植え床の中の土は、木枠のおかげで雨が降っても流れ出すことはありません。水はけが良くて、やわらかく、生きた良い土になってきました。
この方法だと、毎年の土起しや畝たてが不要になるので、面倒くさがり屋の僕には向いていると思っています。何よりも畑の準備が楽なので、種まきがすぐに出来るところが家庭菜園向きです。
植え床の枠になる材料は決まっているわけではありません。ゴロゴロと畑から出てきた石、余ったれんがや木板、拾ってきた木の枝、古い枕木など、調達しやすい物を利用すれば良いと思います。
ゴールデンウイーク中、僕は、植え床に自家製堆肥と油カスを入れながら種まきの準備と、チャイブ、ワケギなどのネギ類やレモンバーム、カモマイル、パセリなどのハーブ類を移植・株分けしました。月暦(陰暦)では満月の後のこの時期が、移植・株分けに最適とされているのです。
一方、農園の通路に、ワラやカンナクズなどを敷きつめました。除草剤や、ビニールの防草シートを使わずにできる、雑草の生えない通路づくりです。
防草シートの代わりに、水でぬらした新聞紙や段ボールを敷きつめて、その上にワラやカンナクズなどを載せ、水をまいて踏み固めると出来上がりです。これで、雑草取りの手間が省けます。また、雨が降ってもぬからずに収穫作業できるので、とても快適です。
3~4年後には木くずも分解され、土に戻すことができるようになります。菜園では、自然の素材で、最終的に分解され、土にかえるものをうまく使って、畑の環境を守って行きたいと思います。
さて今年は、レイズベッドの畑をもう少し増やせるように、がんばるつもりです。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
種まきや移植の準備が整った、今年で3年目の植え床<レイズベッド>です。
植え床には、堆肥のほか、土壌改良材として炭を入れます。
2010年08月03日
北海道新聞連載②
2010年08月03日
北海道新聞連載①
北海道新聞 平成22年4月22日生活面掲載
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「農を楽しむ」-西條さんの菜園便り ①循環する暮らし
近年、家庭菜園がブームになっています。僕も友人を道連れに菜園生活の仲間入りをして今春で4年目。現在、札幌市東区にある農地約1ヘクタールを借り、9組の家族(グループ)で共同運営しています。
僕たちの農園では、それぞれが自由に耕作する菜園作業のほか、毎月1回の共同作業日(自主参加)を設け、周辺の草刈り、堆肥用の落ち葉集めなどを行います。また、トラクターや耕運機は共同利用し、燃料代なども会費でまかないます。
グループには特に決まりはないけれど、無農薬、無化学肥料、除草剤も使わない有機栽培が信条。自分で栽培した安心野菜が並ぶ食卓は、健康的な暮らしには欠かせないもので、恥ずかしながら、「豊かな暮らしとはこういうことなのか」と、人生半ばにして感じています。同時に、同じ考えを持つ人たちが、無理せず協力し合うことで、菜園生活をより楽しめる、ということも実感しています。
僕たちの農園では、毎年4月、ごみ拾いで畑開き。菜園仕事は土起しで始まります。
この際、堆肥や有機肥料をすき込むのですが、化学肥料を使わない有機農法には、肥料自体を一切使わない方法や、畑を耕さない方法などもあるので、各自がそれぞれのやり方を選び、実験気取りで楽しんでいます。
僕は昨年、鶏ふんや牛ふんなどの動物性の肥料は使わずに、米ぬかや油かすの植物性肥料のみを、ほんの少しだけ使って、野菜作りに挑戦しました。タマネギ・ジャガイモ・ニンニクといった根菜類から果菜、葉菜、ハーブなど約80種類の作物を栽培してみました。
結果的に、育ちがいまひとつの作物もありましたが、これが気候のせいなのか、肥料のせいなのか、未熟な私には判断できません。でも、今年もこりずに、再度、チャレンジしてみるつもりです。
さらに、今シーズンは強い味方が加わります。冬の間中、僕の会社の事務所の片隅に置いておいたコンポスト容器の中で、コーヒーやお茶葉、野菜くずを、ミミズたちがせっせと食べて作り出した貴重な堆肥と液肥です。
また、昨年秋に、山から集めて来て積み上げておいた落ち葉堆肥、近所の田んぼで集めてきた稲ワラ、米屋さんの米ぬか、わが家のまきストーブの木灰なども使う予定です。
僕は、自分の身近にある資源を生かした野菜作りを心がけることで、循環する暮らしを実感できるようになった気がします。僕たちが食べたものが分解され(堆肥などの肥料)、栄養(作物)として戻ってくるのです。
連休前には、いよいよ土起こし。今年もまた、楽しい季節がやってきました。
(西條正幸・ビオプラス西條デザイン代表)
昨年、有機農法で栽培した作物
翌年の耕作に備えて堆肥を積み込む仲間たち(昨年末)
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「西條さんの菜園だより」は、毎月第2・4木曜日北海道新聞に掲載されます。
2010年04月02日
パーマカルチャーキャンプ2010
ゴールデンウイーク前の週末パーマカルチャーキャンプのご案内です。
岩手県の自然農園「ウレシパモシリ」の酒匂徹さんを迎えての2日間。
昨年に引き続きパーマカルチャーの実践講座を開催します。
北海道の木の家を会場に座学と畑を使ったワークショップを繰り広げ
ます。お天気の状況でプログラムは変更になることもありますが、
パーマカルチャーを存分に感じてください。お昼のオーガニック
ランチは札幌のマクロビオティツク料理の草分け「青い空流れる雲」と
菜食料理の自然食「ホロ」さんが担当します。
講座の最後はオーストラリアでパーマカルチャーの創設者の一人、
David Holmgren宅でインターンを経験し現地でパーマカルチャー
デザインコースを終了した「Aya」ちゃんのパーマカルチャーライフの
初講座もありますよ。
日時:22年4月24(土)25(日)の2日間
場所:札幌市東区伏古4条5丁目 「伏古の家」
参加費:¥6000(講座2日間・オーガニックお弁当付き)
詳しくはホームページをどうぞ https://saijo-d.com
2009年07月27日
草屋根してみました
2009年03月24日
家庭菜園手帳です
菜園NOTE誕生
地球のこと、いきもののこと、大切に思っている人に届けたい
そんなノートになったら良いな。 家庭菜園を楽しんでいて
こんな手帳があったらいいのに…という思いから作っちゃいました。
「菜園NOTE」にはスケジュール帳はもちろん、日記帳や菜園
計画表など菜園生活に便利な機能や、様々な情報が盛りだくさん。
チョッピリ気になって札幌駅前の紀伊国屋書店をのぞきに行って
きたのです。 1階と2階の専門書コーナーにおいてありました。
取扱店は www.菜園生活.com で見てね。
2009年03月13日
引っ越しました。
木の家ネットのブログが引越しになりました。
Doblogのトラブルでこちらへ来たのです。
過去の日記がどうなるのか心配ではありますが、
しばらくぶりでブログ復帰となります。