北海道型リモデル住宅プロジェクト その5
1階の梁と柱が組み終わると、2階の床下地を流します。
足場用にコンパネを敷き、ジャッキを使いながら2階の梁と
柱の入れ替えをします。
トラスもはずして梁補強し、スッキリ吹き抜け空間を実現。
1階の天井仕上げと床下地を兼ねた木毛セメント板。
蓄熱と防震のためにチョイスした素材を敷き込みます。
昨年建てたストローベイルを使ったカフェ「幸来」の
天井にも使いました。店舗のデザインでは何度か使って
いた懐かしい素材です。
木毛セメント板はスライスした地域木材の皮をセメント
で固めたモノで密度の高いタイプと隙間の大きな低密度
(普通)タイプがある。今回は予算とスケジュールの関係
から後者を選択しました。厚みは20ミリ、もっと厚ければ
さらに効果は増すことになります。
新築と同様に下地に合板(接着剤)は使わないようにします。
2013年04月25日
コンクリートブロック住宅をリモデルします。
2013年04月17日
コンクリートブロック住宅をリモデルします
北海道型リモデルプロジェクト その4
たっぷり積もった雪も解けいよいよ大工さんの出番です。
柱と梁も全て入れ替えることになり、ビデ足場を組み立て
借り柱で支えながら古い梁と柱を取り除き作業を進めます。
古い土台はいたんではいなかったのですが、クレオソートが
たっぷり塗られていたので、即退場してもらいました。
そのまま残すと、住人に健康被害が及ぶ可能性があるからです。
コンクリートブロックの壁とまだトラスが残る天井の吹き抜け空間
はスタジオの中にいるようで、ニューススタジオのセットでも組み
立てている気分になります。昔店舗デザインで内装工事していた頃を
思い出します。 現場で刻み加工しながら作業は進んで行きます。
まず、新しい土台の上に、新しい柱と梁を組み始めました。
2013年04月14日
コンクリートブロック住宅をリモデルします
北海道型リモデルプロジェクト その3
室内の解体工事の様子です。2階の天井・集合煙突のブロック
を壊しています。 屋根を支えるトラス調の支えが見えます。
外壁廻りに貼られていたアルミの複合材は50年前の断熱と防湿
シートだったのかな?厚2センチほどのグラスウールが屋根裏に
敷かれていました。毛布みたいなものですね。(笑)
壊し始めると、主要な柱をのぞいて、階段やユニットバス
床や天井も全て撤去することになりました。
外壁のコンクリートブロックを蓄熱体として生かすために、
全てむき出し、スケルトンにします。
床梁と主要な柱を残した状態で、床下の土を取り出し、
砕石で地ならしした後、防湿シートを敷き込みます。
基礎とアンカープラグでつなぐ鉄金を30センチ間隔
で組んだ後、土間コンクリートを10センチ厚打ちました。
基礎の補強と床下の蓄熱・湿度調整のためです。
2013年04月10日
苫小牧の家 4
苫小牧の家の最終回です。
完成間際の内外観写真をお見せします。
外観と玄関内部の写真です。
外装は1階の南面が道南杉の下見板張り、その他の面はガルバリウム鋼板の
リブ加工張りです。外構の整備前の写真でしたね。
日当たりの一番良い玄関の庇の上に、物干し台が乗っています。
内部で特徴的なのは、シューズクロ-ク兼家族用玄関が隣接していることです。
これがシユーズクロークの収納棚です。結構な収納量があります。
リビングよりキッチンを見た面と、その見返しです。
1階の床は主にハルニレのフローリングで、壁はホタテ漆喰塗りです。
天井は2階床のカラ松フローリングを表しています。
見えている流し台はキッチンはホーロー製のシステムキッチンです。
リビングの南面の大きな開口部側の床に木製のガラリを設けています。
この様なガラリを数箇所もうけて、床下空間の換気をおこなっています。
階段で2階へ上って来ました。
2階は個室が3部屋、クロークと書斎があります。
個室の間は襖で仕切っているので、開放すると広いワンルームになります。
襖を閉めても小屋梁の上部がつながっているので、換気し易い構造になっています。
書斎の写真です。
タタミ3帖間で掘りコタツ式の文机があります。
下の写真は書斎と階段ホールをつなぐ小窓です。
書斎から下階の雰囲気を感じ取る工夫ですが
懐かしい模様の型ガラスが入っています。
最後の写真はオーナーの旧宅から移設した木枠の写真です。
子供の身長の記録などが書かれているので
旧宅の解体時に取外して保管していたのを
記念に水廻りの扉の横に取り付けました。
冬の工事で大変でしたが、手仕事が多い
気持ちのこもった良い家になったと思います。
オーナーをはじめ建設関係者の皆さま、ご苦労様でした。 (田)
2013年04月07日
コンクリートブロック住宅を再生リモデルします
2013年03月26日
コンクリートブロック住宅を再生リモデルします
北海道型リモデル住宅プロジェクト開始 その1
北海道で生まれたコンクリートブロック住宅をリノベーションします。
築後50年近いコンクリート住宅は北海道内にまだ存在しています。
当時の北海道住宅公社が中心となって開発され普及したもので、戦後
大量に建てられた、粗末な木造のバラック住宅から、気密性が高く、
暖かな家を不燃材料のコンクリートブロックで建てる実験住宅は、
不燃寒地住宅を開発する半世紀前のプロジェクトだったようです。
昭和25年から約20年間、この手の住宅が連なる住宅団地が道内で建設
されていたようです。
現在残っているこの頃のコンクリート住宅の大方は、解体されて姿を
消しています。シンプルな三角屋根のコンパクトで可愛らしい形の家。
冬暖かく・夏涼しい・コンクリートブロックを活かした外断熱工法と
自然素材の仕上げ材で、いつか再生したいと思っていました。
半世紀の時を経て、北海道ならではの快適でエコ住宅に生まれ変わる
その時がやってきました。 札幌市北区拓北でプロジェクト始動です!
3月まだ2メートル近い雪で閉ざされた家の前の雪を排雪し、工事車両が入れる
スペースを確保しました。いよいよ解体工事が始まります。
さてさて、どんな家に仕上がるのか・・・続きをお楽しみに!
エコ空間デザイナー 西條 正幸 がお届けします。
2013年03月16日
苫小牧の家 3
本州では桜が咲き始めているようですが、北海道はまだまだ雪が残っています。
でも、ようやく日差しが強くなり、冬の終わりが近いのが感じられます。
外部の足場がようやく外れました。
内部も大工工事が終了して、これから内装工事に入っていきます。
上の写真は設備屋さんが、トイレの配管工事をしているところです。
腰壁の羽目板が見えますが、その上の壁はホタテ漆喰を塗る予定です。
下の写真はホーロー製のシステムキッチンを職人さんが組んでいます。
2階の天井は和紙張りにしました。今回はホタテ漆喰となじむ色あいの物を選択しています。
廻り縁は付けずに直接、和紙と漆喰が取り合います。
いよいよ塗り壁工事が始まりました。もちろん恒例のセルフビルドです。
ホタテ漆喰の白とカラ松の木の色の組み合わせが清潔感があって良いです。
この人はプロの職人さんです。
指導員を兼ねながら素人では難しいところを担当してもらってます。
いつもご苦労さまです。
次回は完成編でしょうか。 (田)
2013年03月12日
オーガニックカレッジ2013
去る3月2日に、我が社主催のオーガニックカレッジ2013が開催されました。
第4回となった今年のテーマは『みんなの家~いろんな暮らし・いろんなカタチ』でした。
様々な形で、エコでオーガニックな暮らしを提案・実践中の仕掛け人達を
ゲストにお招きしてお話を聞きました。
ちょうど爆弾低気圧の影響で大変な悪天候となりましたが、
かなり遠方からの参加者もいて、皆さん熱心に耳を傾けていました。
今年もオーガニック市場やショップも併設しました。
恒例となりましたが、札幌の代表的な自然食レストランが多数参加してくれまして、
昼食やおやつ等を提供、販売してくれました。
夜の部の交流会も大変盛り上がりました。
これで来年もカレッジを続けられそうな活力を得られたようです。
ゲストや関係者、参加者の皆さん、ありがとうございました。
2013年02月20日
イベントのお知らせ
2013年02月16日
苫小牧の家 その2
この1週間ほどの進捗状況をお知らせします。
雪まつりの時期を過ぎると、序々に気温が上がり春に近づいていきますが、
今年はまだまだ、冬が長引きそうです。
ということで外部の様子から。
上の写真は、玄関庇の軒裏の見上げで、自然塗料を塗っているところです。
準防火地域内なので防火の制限が厳しい地域ですが、国交省の告示により
一定の厚さを確保すると無垢の野地板でも使う事が出来ます。
下は外壁の一部分ですが、窓と杉下見板とガルバリウム鋼板の外壁材の
取り合い部分の写真です。防火上の理由でガルバの外壁材にしましたが、
北海道では一般的に、耐候性の面で外壁材に選択されることが多いようです。
電気屋さんが幹線の引き込みの準備をしています。
寒い中、ご苦労さまです。
内部ではユニットバスの組み立てが始まっています。
壁にはセルローズファイバーの断熱材をラップしているシートが見えます。
これはただの塩ビシートではなく、湿気を移動させられる透湿性のシートです。
セルローズファイバーとの組み合わせで呼吸する外壁になり、壁体内結露を緩和させます。
このシートは国産のものが無いのが残念です。
黒く見えているラインは気密テープです。
上の写真は若い大工さんが1階のダイニングキッチンの天井造作を始めた
ところです。
下の写真は建具枠などの内法材を取り付けながら、プラスターボートを
貼っています。2階の間仕切り壁はほぼ真壁造りです。
左側の低い姿勢の人が棟梁さんです。
2階の納戸に設置した24時間用セントラル換気扇です。
こだわりがあり、3種換気にしてます。
現行の法律では、自然素材で充分に吟味した材料を使用しても、
換気扇を常時運転しなければなりません。
そのため、冬に換気で捨てる暖気がもったいなくてしょうがありません。
何とかならないでしょうか? (田)